
斉藤です。
アナログの香りが匂い立つコンプのプラグインってあると思うんですが(ACME XLA-3とか)、立て続けに試したコンプがアナログ臭がしたのでまとめておきます。
たぶん日本ではあまりレビューされてない機種だと思います(私も存在を知ったのはRedditからでした)。
UTA-D – UnFairchild 670M mkII

UTAというのは「Under Tone Audio」の略です。
起動する度に5秒近く固まるのはご愛敬。起動さえしてしまえばレイテンシもなく問題なしです。Acustica Audioに比べればマシ
UnFairchild 670…という名前のとおり、元ネタはFairchild 670(660のステレオ版)ですね。
実機に近いらしいUADのFairchildで慣れている身でもパッと設定できますね。珍しいところでいえばFairchildにしてはアタックとリリースを個別調整できるようです。私は右にあるTIME CONSTANTを使うから要らないかな……。

周波数カーブなどを見ると、色づけがされていないようです。
ですが、アナログコンプ特有の「粘り」があって、高級感のある音です(破裂音を出すとよくわかる)。
UAD版が「自然」とか「かけたことがわからない」とか言われる方なら、UnFairchildは「アナログ感たっぷり」という感じ。コンプ感としては似てる両者ですが、そもそものカラーが違う感じはしますね。
どうでもいいですが、UAD版はデフォルトのTIME CONSTANTが「5」で、実際ボーカルにはそれくらいがちょうどいいので5ばかり使っていましたが、UnFairchildは「2」がデフォルトで、シャキシャキ動くおかげかこの2の設定がちょうどいいな、と思いました。適材適所なデフォルト設定がされていると見るべきか、俺が流されていると見るべきか。う~む。
上段には「THD」という歪みのパラメーターもあり、これをフルテンにするとめっちゃ歪みます。
でもほどほどのところでやめておくと、単にサチュレータとしても良い線行ってるねぇ! と思います。
文句を言うとしたら、普段-18dBFSあたりになるよう設定しているボーカル(-6dBFSを越えないようにしている)だとインプットをフルまで使っても-5dBくらいしかリダクションされないため、もっと余裕のある設定をしたい場合は元のボーカルを前段で大きくしておく必要があります。
あと、ボーカルのプリセットが2つしかありませんでした。まぁ単純なコンプだしプリセット作りようないと言われればそうかもしれないけど。
Kazrog – Retro Sta-Level

Retro Instrumentsというところが出している実機「Sta-Level」のプラグイン化ですね。
2ノブですが、LA-2Aの系譜という訳ではなく「1956 Gates Sta-Level」という過去の名機のリビジョンみたいなもんみたいです。へー。

位相はどんなプラグインでも割とこんなもんですし、周波数カーブも妙にナミナミしている以外は自然ですね。結構低域落ちているように見えるかもしれませんが40Hz地点で-3dBとかなので聞き取れる人いないと思います。いやDTM沼は魔境なのでいるかもしれないけど俺は聞き取れないです。
使い方は特別難しいことはありませんが、変わったところではMODEツマミがあって、
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SINGLE…ボーカルやベースの日常的なコンプレッションに向いているらしい。日常的なコンプってなんだ。
学歴コンプか?一番前に出てくるがコンプ感は浅い。 -
DOUBLE…幅広いソースに向いているらしい。ボーカルにも適しているそう。最もキャラクターが濃く出るのがこのモードだそうで。SINGLEからしたら2歩くらい下がった感じだけどこのモードを基準にした方がいいのかも。
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TRIPLE…ファストなトランジェント感が得られるらしい。日本語でおk。一番後ろに下がった感じがするけどこのアタック・リリースが必要な楽器はあるだろうな、という感じ。ドラムとか。
さて、肝心の音ですが、このコンプをかけたら上品なサチュレーションを潤沢にかけたように聞こえます。俺の糞耳でも聞こえるんだからそれなりの量かかっているんでしょう。
サチュレーションとSINGLE設定によりかなり前に出てくる音も作れますし、DOUBLE設定により一定の位置にがっちり固定することも可能です。
私は「コンプしすぎに気をつけなきゃ」と思ってボーカルに対するコンプの手を緩めることがあるので、DOUBLEくらいガッチリ固定した方がいいかな、と思います。このコンプもかなり印象いいです。

てかちょっと説明書見ても判断つかなかったんですが、リダクションメーターが「DB(デシベル)」表記なんですが、-10刻みでしか数字書いてなくてこれは「10」のところで-10dBコンプレッションされているのか……? だとするならかなり大雑把なメーターだ。
文句つけるとしたらメーターの記述くらいしかないかも。でもどうせリダクション量が何dBなんてナンセンスで耳で判断するしな。真っ当に良い。
Kazrog – MHB Green

まぁなんらかの実機のモデリングなんだろうけどもっと上にギュッとせぇと思いますがいいでしょう。
どうやらAWA G7201 Limiting Amplifierというもののモデリングだそうです。

いや周波数カーブのクセよ。
俺の一日のやる気曲線か?(昼飯後やる気なし)

しかもこれは「WARMTH(暖かさ)」ノブがゼロの状態だぜ!
な、なんだと……まだ変身を残してるってのか!
フハハ見ろ、これが変身後のEQカーブだ!!

く、クセが減ってるー!?(ガビーン)
まぁ茶番はともかくとして、私はクセが少ない方(WARMTH100%)の方が好きな音ですね。
WARMTH足すとなぜかゲインが下がるので、その分を補ってあげなきゃいけないのがめんどくさい忘れっぽいポイントになります。
このコンプは低域が太く、暖かくなります。というか……単純に低域の量が増えているんですけどね。
高域もクセがつくので「なんか平凡な音……」と思ったらクセのあるコンプかけてみるのも一興かもしれません。それなら普通のコンプとEQ使う? ああそう……。
まぁ文章の賑やかし度でわかると思いますが、私はあまり使わないかな……。
コンプに求めるものって、「少ないツマミでなるべく良い音」なので、わざわざ裏設定開いてWARMTHいじって足りなくなった妙に回し心地に癖のあるノブで音量を戻して……とかやりたくないもん。
そんなんするならWavesのRCompしか使えない縛りで作曲した方が捗るっちゅーねん。
終わりに

今回はあまり国内レビューされていない機種を自由に書けて楽しかった(こなみかん)。
普段ってホラ、「他人様と同じプラグインのレビューしちゃって真逆のこと書いてたらやだなー」と思ったりしちゃうわけじゃないですか。嘘。全然思ったことない。他人の意見とかクソどうでもいい。この世には”俺”がいるのみ。超天上天下唯我独尊。
だから気にしたことはないけど、先駆者みたいでいいなと思いました。どれも発売して数年は経ってるけど。
UnFairchildとSta-Level、どっちがいいの!? とショットガンマリッジ並の圧で聞かれたら、俺はハッキリしたコンプ感が好きで、SINGLEとDOUBLEを使い分けられるのでSta-Levelを選ぶかな。特にDOUBLEのガッチリボーカルを離さない感じが好きです。
実機にSta-Levelの実機は63万円くらいするそうです。自動車買うと思えばいけるか。ガハハ。無理。
終わります。



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