デジタルで手に入れる“質感” テープシミュレータと向き合ってみた

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 斉藤です。
 UADの整理をしていた時にテープシミュレータを見つけて、そういえばまとめてないなーと思ったので私の所感を書いていきます。
 UADをメインに、その他のシミュレータは簡単にレビューしていきます。

※テープシミュレータは様々な使い方があったり、効果が微妙だったりしますが、飽くまで現時点の私が使用する範囲で思ったことを書いています。
(つまりあなたと同じ感想を抱くかはわからないということです)

※効果をわかりやすくするため、インプットを突っ込んでアウトプットをその分絞っています。あと全部声にインサートして聴いています。

UAD

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorder

Ampex ATR-102 Mastering Tape Recorder

 初手からなんなんですが、これは「マスタリングテープレコーダー」と銘打ってあるのでちょっと扱いが違うかもしれません。
 でもボーカル用のプリセットとかもあるからトラック用でもあると思う。

30IPS。TAPEは456(以降同じ)。かなりフラットな周波数特性で、テープシミュレータかけてるのがわからないくらい。
15IPS。7,000Hzあたりが+3dBほどされている。聴感上も(7.5IPSより)高域出てる感じ。30IPSと比べると方向性が違うだけでまだまだハイファイ。
7.5IPS。フラットな特性……なんだけど聴感上はちょっと古さがある気がする。15IPSの後だからかもしれない。
3.75IPS。明確に曇って聞こえる。

 ATR-102には他にも250、456、900、GP9のテープがありますが、違いはクソ耳なのでわかりませんでした(半ギレ)。
 つーか精々±1dBの話なのでわかるか💢 俺は機械じゃねェんだぞ💢💢 よって周波数特性のグラフはナシです(全ギレ)。

 プラグイン全体としては、サチュレーションはわかりやすい方。比較的低域~中域にサチュレーションがかかる感じ。どっしり型。
 テープコンプ感はさほどないが、かかってるのを自覚できる程度。

 使用頻度は割と高く、なんか混ざりが悪いミックスを作っちゃった時にマスターにかけると2%くらい改善する。そんな感じ。UAD版はレイテンシ結構あったので個別トラックには使ったことないかも。今はネイティブ版も使えるようになったんですが、そっちはレイテンシを感じないです。

Studer A800 Multichannel Tape Recorder

Studer A800 Multichannel Tape Recorder
30IPS。TAPEは456(今後も同じTAPE)。50Hzあたりが+4.5dBくらい上がっている。
15IPS。はぁそうですか、という違い。
7.5IPS。比較的フラット。

 これがね~~~~こういう記事書く時のガンなんですわ。
 設定は色々あるんだけど、通常使用する範囲ではよくわかんね。ってのが本音です。いやね、俺だってこういう記事書いている以上は「全部聞き分けてます」みたいなツラしたいんですけどね、これに関してはわからないんですわ。
 通常の使用から外れて、フルにインを突っ込むとテープコンプ感もサチュレーションも潤沢に出るのでギリギリを攻めれば使えるかな…? って感じ。
 その使い方をするならするで、UAD公式が「Studer A800は各インサートの最初に入れてくれ!」って言ってるんだけど、まだコンプ通していないボーカルとかが場所によって大いに歪んだり、逆にあまりサチュらない箇所が出てきちゃったりするのでは、と思う。
(まぁスタジオで録るならもう実機コンプを通った後の音を想定しているのかもしれませんが)

 よって私は使ってないです。

Oxide Tape Recorder

Oxide Tape Recorder
15IPS。低域と高域が盛り上がっている印象。聴感上は「テープシミュってこういう音だよね」みたいな音。
7.5IPS。なぜかグラフ上ではこんな曲線になっているけど、聴感上は「ちょっとハイ落ちしたな」って程度。

 Oxideは一番安かった(確か29ドルとかじゃなかったっけ?)割に「テープシミュに欲しい音」って感じの音がします。サチュレーションが低域側にかかり、テープコンプ感は通常使用ではUAD3兄弟の中だと一番強い。
(通常使用では、という前置きを入れたのはフルで駆動させた時にサチュ・コンプ感が一番強いのはStuder A800だからです、単に設定の幅が広いというのもある)
 7.5IPSだと比較的わかりやすく高域が落ちてくれるので、EQの代わりに突っ込んでおくこともあります。その方がまとまるので。

 個人的には(いやこの記事が明らかに個人で書いている以上そのエクスキューズが必要かどうかはともかく)、15IPSで充分ハイファイで、なおかつコンデンサマイクの痛いところを3%くらい取ってくれる印象。これだけではもちろん完結しないけど、ちょっと鈍ってくれる感じが好きで(前述のEQ代わりにも)そこそこ使っています。

UAD以外

 ここからは一言コメントの形で書いていきます。
 前に13,000字も書いて省エネを覚えたのだ。

Softube – Tape。過大入力をすると「ジッ」って飽和する。声だとあまり変化を感じなかったけどトラックメイクではよく使う。ワブルのノブを上げると簡単にいなたい感じ出る。比較的サチュレーションがわかりやすい方。
Plugin Alliance & SPL – Machine Head。設定の幅が広いからかサチュレーションのわかりやすさがダンチ。テープコンプ感も出る。かなり優秀。ただ、ここまでの歪みが欲しい場合はサチュレータ使うよね、って感じ。だから結局あまり使ってないけど使いたいとは思っている。ホント。
Waves – J37 Tape。テープコンプがわかりやすすぎる(今回は音量を突っ込んでいるため)。サチュレーションは真ん中下側の「SAT」ノブで付与できる。ノブがゼロでも割とサチュる。SATノブは音量が上がるからあまり好きではない(人間は音量が上がると良い音だと勘違いするため)。
Plugin Alliance & Kiive Audio – Tape Face。インもアウトも±20dBできるおかげか、テープコンプ感もサチュレーションも充分感じられる。サチュレーションは中域にガッツがある効き方。平べったい音と言われればそう。
OVERLOUD – TAPEDESK。コンソールS4000もエミュレートしているらしい。テープコンプ感はちょっとわかりやすめ。あまりサチュレーションを感じない。特に語ることがない。
Slate Digital – Virtual Tape Machines。サチュレーションは上品なかかり方。テープっぽさが希薄なわけではないんだけど、なんだろう、上品。テープコンプっぽさは突っ込めばある。インサートした時点で音量がわかりやすく上がるので嫌い。プラグイン入れた時の音量上がるのまで込みで作業するほどこっちは優しくねぇぞ!と思ってる。
iZotope – Ozone11 Vintage Tape。サチュレーションにしろテープコンプっぽさにしろ、控えめに聞こえる。Hermonicsノブを上げるとサチュるか、と思ったけどさほど倍音マシマシにはならなかった。テープっぽくないGUIに引っ張られているかもしれない。Ozone自体マスタリング用なのでそんなに極端な音にはできないのかも?

終わりに

 結構持ってました。
 まだテープシミュレータは持っているんだけど、耳が疲れてきたので終了。今聴いたらどれもわからなくなってそう。歪みって相対的なもんだからか、耳が疲れるとわからなくなるもんだ。

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