今回はだいぶ前に書いた記事をリライトしたものです。今使っている機材とは乖離があります。

やぁみんな! UAD信者の斉藤だよ!
普段からUniversal Audioに金を落としている私ですが、より強めのお布施をしました。
それがこれ、LA-610です。マイクプリ+EQ+オプトコンプが入ったチャンネルストリップで、イカした見た目のヤバいやつだ。僕の心のヤバイやつだ(関係ない)。

日本語のレビュー少ないので書いておくぞ。
1 買った理由
現在、プリ+オプトコンプをそれぞれ単体で使っていてコンセントもごちゃごちゃするし、机の上も狭かった
海外のレビューで「マイクの性能を引き出すから何使っても良い音になる」「この機種が良い音を出せないのは電源が落ちている時だけ」と言われていて気になる機種だった
新古品のセールをやってた(重要)
2 特徴
ヴァンヘイレンとかが使っていた610コンソールを再現したマイクプリ&EQ
LA-2Aを実際に売っているUniversal Audioが作ったLA-2Aライクなオプトコンプ
3 レビュー
電源投入した際の素直な気持ちは「かなり暗くて、かなり暖かい音になるプリだな」と思いました。なんなら失敗したかな、と思ったくらい。
とはいえ、設定方法がわかると太くてピュアな音を出してくれますね。
また、前評判の「マイクの性能を引き出す」というのは本当だな、と思いました。後述しますが、持っているマイクで試してみたらどれも「アリアリ」な音がします。ブチャラティかよ。
あと、使いやすいです。
これは私がLA-2Aライクなオプトコンプに慣れているので、爆速で設定できるからというのもあります。ツマミ2つしかないしね。
んで、歌に使ってみたんですけどめっちゃ歌いやすいですね。
今までのプリではただの“細い裏声”になって使えなかったところも、分厚く録ってくれるので裏声が表現として使える! 嬉しい!
設定方法について

この機種は「透明感のあるピュアな音が欲しければゲインを抑えてレベルノブを上げる」という使い方を推奨されています。
また、逆の方法で真空管っぽい歪んだ音を出すこともできます。
インピーダンス切替えによる音色の変化について
マイク入力が「500Ω」と「2000Ω」のインピーダンスを切り替えられます。
同音量での比較はしていませんが、
①500Ω…音が大きく、中域にパンチがあるように聞こえる
②2000Ω…周波数帯バランスの良い音に聞こえる(ピュア)
感じがしています(まぁマイクとの相性もあるでしょうが)。
コンプレッサーについて
LA-2Aライクなオプトコンプ…と聞くとあのねっちりした遅めのリダクションを想像しますが、実際は結構きびきび動きます。もちろん速すぎることもないですが。
UADで言うとLA-2A Silverって感じ。誰が分かるんだよ。
コンプも含めてこの機種! という感じで、プリアンプのみだとちょっと高域寄りな音になります。ちょっと高域が暴れる印象も。マイクによりますが結構明るい音かな。
海外ニキも言っていましたが、コンプを付けると高域が落ち着いてトーンがニュートラルになる感じ。
太さにも貢献しているようで、もうコンプに足向けて寝れないですわ(おっさん)。
4 マイクと合わせてみた
①AMATERAS 8097Sでの録音

今持ってるマイクでは一番いいですね。
見晴らしがいいだけではなく出すぎない高域が素晴らしいです。
もちろん低域もしっかり出ていて分厚いです。プラグインでせこせこ作った「仮初めの分厚さ」ではなく「ぶっと…」と口に出す太さ。ダスカの太ももかよ。
インピーダンス切替えの500Ωはガッツがあってかっこいい音ですし、2000Ωはフラットで「とりあえずこれで録っておこっか」というピュアさがどちらも良いですね。
この機種にはステマっぽいくらい良い評価がありますが、実際のところ低価格の割にそこそこ頑張ってくれる良い機種だと思っています。別のマイクに買い換えを狙ってるけど。
②Earthworks ETHOSでの録音

良い意味でレンジの狭さを感じました。
私はこの機種をShure SM7Bみたいな周波数帯域してんな、と思っているんですが、そのまままさに「SM7Bをこのプリで増幅したらこういう音になるよな」って感じ。
コンデンサマイクなのになんでこんなに似てるんだろう。
歌録りに使いたいか…と言われるとなるべくコンデンサマイクっぽい音で録れる機種を選びたくなるんですが、ナレーションやゲーム実況などではコンデンサマイクの距離感で太い声が出るので使いやすいし聴きやすい音だと思います。
ラジオなどを長時間聴くにはこういう高域おとなしめの音がちょうどいいんですよね。
一応「30kHzまで収録できる!」がウリの機種なんですが、フラットすぎるのかレンジ狭く感じるんですよね。そこが悪いというわけではないんですが。
③SENNHEISER e935

ダイナミックマイクも試してみました。
久々に取り出したので「e935ってこんな音だっけ!?」って思ったけど、SM58より高域がシャリっとした機種です。
どうしてもコンデンサーマイクに慣れてるとしばらく会ってない友人みたいなよそよそしさがあります。
インピーダンス500Ωの押し出しが強い音だとダイナミックマイクの中域のパンチと合わさって映えますね。もちろん2000Ωのピュアな音も嫌いではありません。
歌ってみたとかカラオケ配信とかなら500Ωのガッツある音がめちゃ合いそう。また、ダイナミックマイクはどうしても近くで使うのでノイズが少なく録れる面もいいですね。
4 悪いところ
私の機種は残念ながら駆動時に「トランス・コンデンサの鳴き」が発生する個体でした。
「鳴き」とは、内部に使われている部品が通電時に小さくピーと鳴る現象です。マイクに音が入るので割と困ります。
5 終わりに

音・機能自体は文句ありません! 鳴きだけなんとかしたい…。
音色の面でいえば、インピーダンスの変化による使い分けは結構扱いやすくて、メインボーカルを前に出る500Ωで録って、コーラスを2000Ωでピュアに録るなどでもできますね。
何よりもこの音色変化がノブ一個ひねるだけでできるので録りも捗るってもんです。
一方で、「真空管の音を強めに出すならGAINを多めに~」というのは大きな差を感じませんでした。
よく聴いてみれば真空管っぽいかも…となるカモ。ならないカモ。

真空管プリらしい味付けをしつつも扱いやすく、録音を気持ちよくしてくれる一台でした。


